29/10/2016
「身内が行なう空き家・留守宅の維持管理 20のポイント」を公開した理由
プレスリリースを行わせて頂きましたが、2016年10月12日に空き家ガーディアンズのHPにて「身内が行なう空き家・留守宅の維持管理 20のポイント」を公開させて頂きました。
http://www.akiya-g.jp/self/
空き家の管理を代行する業者が、所有者自身での維持管理のノウハウを提供して自分で管理することを勧める。ビジネス面から言えば利益に反するように思われる行為ですが、これを行なうにあたってはいくつかの背景がありました。それを今回は述べさせて頂きたいと思います。
■空き家の所有者やその身内の方に対して
「20のポイント」では、空き家の所有者等に空き家の管理とは何をすることなのか、どういう状態を維持することなのかを提示いたしました。自治体広報誌、出版印刷物、マスコミ報道等で空き家の管理方法についての具体的な情報提供がほとんどなされていないことがその理由です。「空き家は所有者等が適切に管理しましょう。」といった文言を見かけることはあっても、具体的な作業について解説されたものを見る機会は残念ながらほとんどありません。
空家対策特措法の施行前後から空き家管理を業務として行なう企業等(NPOやシルバー人材センター等の社団法人を含む)が急激に増加しましたが、どこも顧客が増えずに苦戦を強いられています。
「空き家管理ビジネス」の存在自体の認知度はマスコミ報道等で確実に上がってきていると思われますが、各企業が行なう空き家管理は内容自体もバラバラで正しい空き家管理という概念が未だ定着していないというのが現在の状況です。「空き家管理ビジネス」をより普及させる為には、まずは正しい空き家管理を広く知らしめる必要があると考えたわけです。また、お読み頂くと空き家を適切に管理することは楽な作業ではないことが分かると思います。その認識を所有者等に持って頂き、空き家管理業者の存在する意義を理解してもらうこともこの「20のポイント」の狙いです。
■空き家の近隣居住者に対して
マスコミ報道の影響の為か、最近の風潮として「空き家の存在自体が悪」と考える人が増えてきています。自己の不動産をどうするかは所有者の自由であり(憲法29条・民法206条)、本来、第三者がとやかく言うべきものではありません。適切に管理されていない空き家に対しては空家対策特措法や各自治体の条例等の法的根拠がありますが、適切に管理されている空き家に対して不満をいうことには法的根拠がありません。ましてや所有者等が空き家を適切に管理するのは近隣住民のことを思ってという側面もあります。業者に管理を委託しているにしても、苦しい生活の中で費用を支出している方も多いのではないでしょうか?空き家を適切に管理することは簡単なことではありません。ましてや活用も除却も行なわないのはそれなりの理由が存在するわけで、空き家の近隣居住者には温かい目で空き家を見守って頂きたいと考えたのもこの「20のポイント」を公開した理由の一つです。
■自治体に対して
全国の各自治体は空家対策特措法の施行に伴い、それぞれに協議会を設置して空き家対策に取り組み始めています。また解体費用の補助金制度や活用の為の空き家バンクの運営等を行なう自治体も増えてきました。私はその中でいくつかの気になる点があります。
まずは協議会についてですが、空家対策特措法第6条では協議会が策定する空家等対策計画の項目の一つに「所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項」という記述があります。しかし、先に述べたとおり自治体HP等で空き家の具体的な作業内容等について解説された資料等を見る機会はほとんどありません。私はこの理由を各自治体担当者が「空き家の適切な管理」自体を正しく理解できていない点にあると考えています。しかしそれにも致し方ない理由があります。まず、所轄官庁である国土交通省から「適切な管理」に関する資料やガイドライン等が出されていないこと。次に各自治体に対して民間として受け皿となる空き家管理業者の団体組織が存在しないことです。そのような状況の中で一企業として出来ることとして、この「20のポイント」を公開させて頂いたわけです。
次に各自治体が行なっている解体費用補助金制度や空き家バンク制度ですが、こちらに対しても私は若干の違和感を持っています。解体費用補助金制度は旧耐震住宅の問題、空き家バンクは過疎化対策・人口減対策が本来の目的であり、空き家問題とは切り離して行われるべきものです。空き家問題の中心にあるべき対策は空き家を減らすことではなく、いかにして所有者等に空き家を適切に管理させるかではないかと考えていることも、この「20のポイント」を公開した理由の一つです。
■マスコミに対して
ここまで書いてきた様々な現象に関して、私はマスコミの報道内容にもその要因があると考えています。確かに空き家の増加は深刻な問題ですが、それは空き家の所有者が悪いわけではありません。それぞれに致し方ないと思わせる理由が存在します。空き家の適正管理という題材は、空き家問題の報道の中ではリノベーション等に比べると地味で絵面も悪いかもしれませんが、空き家対策としては最も即効性のある取り組みであることをマスコミにご理解頂きたいと考えたのもこの「20のポイント」を公開した理由の一つです。
空き家ガーディアンズが提案する空き家所有者およびその身内自身が行なう空き家の適正管理の作業方法。