21/07/2026
激変する「空室の価値」と「火災保険」の最前線
オーナー様が今こそ考えたい、“持つリスク”と“備える価値”
賃貸経営をしていると、「空室を埋めること」「火災保険に加入すること」は当たり前のように考えます。
しかし最近は、その“当たり前”が少しずつ変わり始めています。
今回は最近の業界ニュースの中から、
・空室の新たな役割
・火災保険を取り巻く環境変化
という2つのテーマを取り上げながら、オーナー様がこれから考えるべきことを整理してみたいと思います。
空室は本当に“悪者”なのか?
空室は賃貸経営において収益を生まないため、多くのオーナー様が悩まれるポイントです。
私自身も管理会社として、「できるだけ早く入居を決める」ことを常に意識しています。
しかし近年、国や自治体の考え方を見ると、空室に対する見方が少し変わり始めています。
災害時に求められる賃貸住宅
日本は世界有数の災害大国です。
近年も地震・台風・豪雨災害が頻発しています。
国は今後予想される大規模災害に備え、民間賃貸住宅を被災者の住まいとして活用する体制づくりを進めています。
これまでは、「災害が起きたら空いている部屋を探す」という考え方でした。
しかし現在は、「平常時から活用可能な住宅を把握し、災害時の受け皿として準備する」方向へ変わりつつあります。
実際に能登半島地震では、多くの被災者が一般の賃貸住宅へ入居し、その後行政契約へ切り替えるケースも見られました。
避難所生活を長引かせないためにも、民間賃貸住宅の役割は今後さらに大きくなっていくでしょう。
空室が地域を支える時代へ
もちろん、行政との契約だから必ず得になるという話ではありません。
家賃上限や契約条件、退去時の原状回復など確認すべき点もあります。
それでも、人口減少時代の空室は、単なる「損失」ではなく、地域のインフラとしての価値を持ち始めています。
普段は入居者の暮らしを支え、有事には被災者の生活再建を支える。
そんな役割を担う存在として、賃貸住宅の社会的価値は今後さらに見直されていくかもしれません。
火災保険にも大きな変化が起きている
もうひとつ見逃せないのが火災保険です。
近年、「保険料が高くなった」という声をよく聞くようになりました。
しかし実は問題は保険料だけではありません。
最近では、
・希望する補償内容で契約できない
・補償内容を削らないと更新できない
・複数社から引受を断られる
といった事例も出始めています。
なぜ保険会社が厳しくなっているのか
背景にあるのは自然災害の増加です。
大型台風
豪雨災害
水害
雪害
近年は全国各地で過去に経験したことのない規模の災害が発生しています。
保険会社の支払額も増え続けており、火災保険分野は長期間にわたり厳しい収支状況が続いていると言われています。
その結果、単なる保険料値上げだけではなく、保険会社側も契約条件を厳しく見直し始めています。
築古物件ほど影響を受ける可能性がある
現在は主に分譲マンションで話題になっていますが、私は近い将来、賃貸住宅にも同じ流れが広がると考えています。
特に、
・築年数が古い物件
・木造物件
・水害リスクの高いエリア
などは今後さらに影響を受ける可能性があります。
だからこそ、「保険は毎年自動更新」ではなく、
・補償内容は適切か
・免責設定は適正か
・不要な特約はないか
を定期的に確認することが大切です。
金子の考え
私は賃貸経営において、「問題が起きてから考える」よりも「問題が起きる前に準備する」ことが最も大切だと思っています。
空室もそうです。火災保険もそうです。
どちらも普段はあまり意識しない部分ですが、いざ何か起きたときに経営へ大きな影響を与えます。
特にこれからは人口減少、自然災害、物価上昇など、オーナー様を取り巻く環境が大きく変化していきます。
だからこそ私は、物件を見るだけではなく、
「この物件を10年後、20年後にどう守るか」という視点でオーナー様とお話しするようにしています。
賃貸経営は建物経営ではありません。
リスクを管理しながら資産を守る経営です。
空室や火災保険を含め、ご所有物件の将来に不安がある方は、一度管理会社や専門家と一緒に現状を見直してみてはいかがでしょうか。
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